宮城県(牛タン県)にしかない変わった条例

救命胴衣着用宣言(石巻市)

海難事故はあとをたたず、毎年多くの尊い人命が海難事故により失われている現実をみるとき、市民一人ひとりが自分自身のもっとも身近な問題として深く認識し、海難事故防止の実践に努める必要があります。

 

特に、海中転落時に救命胴衣を着用していた場合の生存率は約80パーセントと、未着用時生存率の4倍となっており、救命胴衣の着用により多くの人命が救われたであろうと言われています。

 

よって、石巻市議会は、ここに「救命胴衣着用宣言」を行い、救命胴衣を「海のシートベルト」と位置付け、漁業従事者等への救命胴衣着用の徹底を図り、海難事故ゼロの実現に向けて不断の努力を払うことを決意する。以上、決議する。

 

「海のシートベルト」を忘れずに

石巻市の沖合い海上では、2006年10月にサンマ漁船の「第7千代丸」が転覆、16名が死亡、さらに2007年12月には底引き網漁船「第68丸中丸」が沈没し、4名の死者を出す不幸な海難事故が続いていました。しかも、犠牲者20名のうち7名が石巻市民だったのです。

 

こうした悲劇の連鎖に終止符を打とうと、事故の本格的な検証が始まりました。石巻市議会の議事録によると、死亡した乗組員は全員、水に浮かぶ救命胴衣(ライフジャケット)を着ておらず、一方、第68丸中丸の沈没事故から生還した3名は、キッチリ救命胴衣を着用していたという検証結果が出ているようです。

 

2008年から、小型漁船に一人で乗船して仕事をする際のライフジャケット着用が、国の法律で完全義務化されました。石巻地区も一丸となり、漁師だけでなく釣り客などにも着用を呼びかけたことから、今日では約92%という日本一の着用率を誇ります。

 

たしかに珍しい都市宣言ですが、海や川など豊かな水資源に恵まれた島国ニッポンとしては、むしろ主流であってもおかしくないでしょう。

 

文化芸術振興条例(宮城県)

文学や音楽から、CG、アニメ、漫才まで、いろんな表現活動が幅広く県民に親しまれるよう、県が採るべき方針を定めています。

 

その前文には「縄文時代の日本列島は、鮮やかな四季の自然に支えられ、歴史的にまれにみる独創的で豊かな文化を展開していた。その中にあって、実り多い森と良好な漁場に恵まれた北東日本は、世界に誇るべき縄文文化の中心的役割を担っていた」と記されており、宮城県こそが、アートを根づかせるにふさわしい土地柄だと、堂々とアピールしています。

 

スローフード都市宣言(気仙沼市)

チェーン店のハンバーガーや牛丼など、注文したらすぐ出てくる「ファストフード」は、たしかに安くて便利ですが、どこで食べようが同じで味気ない。海の幸と山の幸、バリエーション豊かな食材に恵まれた日本古来の食文化を、もう一度見直し、次の世代へ引き継いでいこう、という趣旨の宣言です。

 

地方の条例だって同じかもしれません。全国どこでも共通の画一的なルールだけでなく、地域ごとの特色を活かした条例が、もっと注目されたっていいように思います。「スローフード」ならぬ「スローロー」といったところでしょうか。

 

魚食健康都市宣言(気仙沼市)

スローフード都市を宣言した気仙沼は、日本屈指の水産都市でもあります。わが市が、国民の動物性たんぱく質の供給を担っているのだと、その責任感をあらためて確認しています。

 

今まで生魚を食べる習慣の無かった西洋人や中国人が、日本の食文化に関心を持ってくれているのはうれしいですが、諸外国が魚を大量に買い付けるようになり、魚種によっては、国内での食材不足や価格高騰がみられるようです。

 

マンガアイランド条例(石巻市)

石巻の沖合いに浮かぶ田代島に整備された、漫画好きにはたまらないエリア。ただ、実態はキャンプ場なので、インドア派にはツライかも。人気漫画家がデザインした猫形ロッジもあり。